外で仕事をするなら覚えておきたいパスワードの管理方法

在宅勤務やテレワークの推進、フリーWi-Fiやコワーキングスペースの充実など、パソコンを使えば出社しなくても仕事のできる環境が整ってきました。ただし、気をつけたいのが、パスワードの管理です。どこで人の目に触れたり流出したりするかわかりません。大事なパスワードを盗まれて悪用されては大変です。しっかりとパスワードの管理方法を考えておきましょう。この記事で解説します。

パスワード管理を怠ることで起こる可能性のあるリスク

メールの送受信、顧客情報の管理、社外持ち出し禁止情報の閲覧など仕事で使用するシステムのほか、個人のメールボックスやショッピングサイトでの買い物など、さまざまな場面でパスワードの入力が求められます。なぜかといえば、許可された人以外の侵入を防ぐためです。

つまりパスワードを適切に管理せずに第三者に知られてしまうと、機密情報が外に漏れたり、メールを見られたり、ショッピングサイトで勝手に買い物をされたりなど、さまざまなリスクにさらされるということ。企業秘密が漏えいしてしまっては、大問題です。
「パスワードは、適切にしっかり管理すること」と肝に銘じておきましょう。

パスワードの管理方法とそれぞれのメリットとデメリット

それでは、具体的にどのようなパスワードの管理方法があるのでしょうか。複数の方法があります。ただ残念なことに、それぞれにメリットとデメリットがあり「これならカンペキ」という方法がないことも事実です。そこをふまえて、管理することを考えましょう。

メモ帳などのファイルに残す

メモ帳、Word、Excelなどを使って管理する方法です。
メリットは、複数のパスワードを一括管理できること。どれだけ数が多くても問題ありませんし、パスワードを変更したときの手直しも簡単です。ファイルを暗号化して、そこにパスワードをかけておくこともできます。ただし、ファイル名はパスワードの記録であることがわからないものに設定し、保存場所もほかの人の目に触れやすいデスクトップは避けるようにしてください。

デメリットは、パスワードを必要とする仕事では、ファイルが保管してあるパソコンを持ち出さなければならないこと。ハードディスクのトラブルが起きると、保存データそのものが壊れてしまう可能性があり、これもデメリットといえます。
クラウドサービスを利用して保管をすればその心配はありませんが、クラウドサービスもセキュリティの面で不安が残ることがデメリットといえます。

紙でメモをする

パソコン上のファイルではなく、紙に書いて管理するという方法もあります。もちろん複数のパスワードを管理することが可能です。これなら、インターネット経由でパスワードが知られることはありませんし、ハードディスクがトラブルを起こしてアクセスできなくなることもありません。ただし、書き間違いには注意しましょう。書き間違いではなくても、数字の0とアルファベットのOなど、判別しにくい文字もはっきりわかるようにしておくことがポイントです。

デメリットは、どこにしまったかわからなくなったり紛失したりという可能性があること。また、外で仕事をする際、常にパスワードを記した紙を持ち歩かなければならないことはデメリットです。

パスワード管理システムやアプリの導入

パスワード管理システムやアプリを使ってのパスワード管理もできます。
メリットは、多くのパスワードの管理ができ、利用しやすいこと。第三者に盗み見られる危険性も低く、インターネットが利用できればすぐに使える点もメリットといってよいでしょう。

ただし、システムの提供元にトラブルが起きたときに、データの消失や情報漏えいの危険性がないわけではなく、この点がデメリットといえます。

シングルサインオンを利用する

シングルサインオンは、ひとつのアカウントで複数のサイトやアプリにアクセスできる仕組みのこと。いくつもアカウントを作る必要がありませんし、それぞれのパスワードを設定して管理する必要のないことが、大きなメリットです。

一方で、パスワードが知られてしまったときには、複数のサイトやアプリに侵入されてしまう恐れがあります。メリットの裏返しのデメリットです。

オートコンプリートを使用する

オートコンプリートは、ブラウザが自動的にパスワードを記憶する機能です。例えばショッピングサイトで買い物をするとき、最初にパスワードを入力すれば、次回からは自動的にパスワードが入力された状態になるため、パスワードを覚える必要がありません。毎回パスワードを入力する手間がなく、第三者に見られる可能性も低くなるといったメリットがあります。

デメリットとしては、すべてのブラウザで利用ができるというわけではないこと、パスワードを変更しようとしたときに入力されているパスワードが何であるかわからなくなりがちなこと、そして、ブラウザ自体を悪用される危険性がゼロとは言えないことです。

記憶のみで管理

自分の記憶のみで管理することも、もちろんできます。記憶していれば常にパスワードを持ち歩くことができますし、自分が漏らさない限り、第三者に知られることはないことがメリットです。

ただし、忘れてしまうと、どうにもなりません。設定したときは「大丈夫、覚えていられる」と思うものですが、人の記憶はあてにならないもの。この点がデメリットといえます。

お伝えしたように、外でパソコンを持ち出して仕事をする際は、パスワード管理を徹底することが大切です。管理の方法はさまざまなので、ひとりで管理すればよいのか、あるいは複数の人で共有するのかなど、情報やサイトの特性に合わせて管理するようにしましょう。重要な情報であればあるほど、厳重に管理することが求められます。

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